有機溶剤 胆管がん 労災認定

胆管がん、大阪の印刷会社従業員ら16人に初の労災認定

 印刷会社の元従業員らが相次いで胆管がんを発症した問題で、大阪労働局は27日午前、発端となった大阪市中央区の校正印刷会社「サンヨー・シーワィピー」(サ社)の元従業員ら16人(うち7人死亡)の労災請求を認定し、元従業員や遺族に支給決定通知を発送した。胆管がんの労災認定は初めて。

 

 今月14日に開かれた厚労省の専門検討会では、元従業員ら16人に慢性疾患など他の発症因子がないことなどから、印刷機の洗浄剤に含まれる「1、2ジクロロプロパン」を「発症の原因である蓋然性が極めて高い」と指摘し、16人の労災申請を認定すべきだとする報告書をまとめていた。

 

 同省の調査では、サ社の作業室は排気装置の不備で、1、2ジクロロプロパンの濃度が米国の基準の最高21倍に達していた。同省は全国の印刷会社に1、2ジクロロプロパンを含む洗浄剤の使用を控えるよう指示するとともに、10月をめどに法令改正して暴露防止対策を義務付け、来年1月施行を目指す。

 

 16人のうち5人は既に労災申請の時効(5年)を過ぎたが、同省は因果関係が明らかになった「検討会の翌日」(15日)を時効の起算点に設定。今回の印刷職場での胆管がん発症がこれまで知られていなかったことを考慮した。
 前回公表時(10日)の発症者は大阪、宮城、東京、静岡、石川の5都府県の印刷所で作業していた17人だったが、更に7人の発症が判明、死者も新たに6人が確認された。厚労省によると、7人はいずれも別の事業所の従業員らで、1人は胆管がんが多発している大阪の印刷会社の社員。他の発症者の都道府県名は明らかにしていない。

 

 一斉調査は今月中に調査票を送付し、8月20日までに回答を求める。また9月から10月にかけて胆管がんの原因物質と指摘される「ジクロロメタン」などを含む有機溶剤の中毒予防規則について各地で説明会を実施。規則が守られていない印刷所に対しては立ち入り調査する。また、詳しい原因を調べるため、大阪市立大を中心とした疫学調査チームを編成。8月から大阪市の印刷会社の従業員を中心に健康調査をする。

 

 厚労省によると、胆管がんに関する相談窓口には12~23日に計396件の相談が寄せられており、深刻なケースは医療機関や労働基準監督署を紹介しているという。

 

2013年03月27日産経新聞 より引用

 

厚生労働省は、職業性胆管がんの相談窓口を設置しています→http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/tankangan/