慢性有機溶剤中毒 労災認定

慢性有機溶剤中毒の症状

有機溶剤に低濃度であっても、長い期間さらされ続けると慢性中毒を引き起こします

 

有機溶剤が体内に入る経路には、
呼吸器から肺を通して入るパターンと、触れる事で皮膚から浸透するパターンがあります。
体内に入ると、血液と共に体内を廻ります。

 

有機溶剤は脂に溶ける性質があるため、脳や神経と結合しやすく、臓器に蓄積していきます。
通常は、腎臓を通じて尿と一緒に排泄されますが、体の許容量を超えて蓄積するといろいろな障害が起こります。

様々な自覚症状

慢性中毒の症状は種類が多く、他の病気と区別しずらい点があることから、
有機溶剤を使っている事を申告しなければ医師も見落としてしまう事があります。

 

簡単に自分で判断できる症状をまとめてみますので、
思い当たる点があれば病院で申告してみましょう。

 

 ・手が荒れる
 ・異常な疲労感、足がだるい
 ・頭痛,頭痛感,めまい,
 ・いらいら,不眠
 ・胃のもたれ,食欲がないなど

 

他に、シンナーによる慢性中毒では、溶剤を嗅ぐとスッとする、溶剤に酔う等の症状が
見られます。
さらにひどくなると,造血機能の低下,中枢神経系の変性(脳萎縮)がみられるようになり取り返しが付かなくなります。

 

症状に気づいたら早めに溶剤との接触を断ち、医師に診察してもらう事が大切です。

その他の多彩な中毒症状

有機溶剤の毒性はその殆んどが蓄積毒性です。
つまり、慢性中毒の危険をもっています。
次に列記します。

 

●神経系(中枢・,抹消、自律神経)に現れる障害

 

神経系に障害を起こし運動機能障害・脳障害、発狂するものもある
精神・神経障害、多発神経炎、小脳失調、視神経炎、初老期痴呆など

 

症状・・・頭痛 いらいら,不眠,記憶力の低下、立ち眩み、
失神・手足のしびれ感、神経痛、脱力、麻痺、四肢のしびれ、痛み、萎縮、筋力低下、異常発汗、便秘、悪心、食欲不振、下肢の倦怠など

 

●皮膚、粘膜系(目)に現れる障害
皮膚炎、結膜炎、上気道炎など
症状・・・皮膚の荒れ(ヒリヒリ、ひびわれ)、かゆみ、流涙、目の充血、眼痛、せき、くしゃみ、皮膚の痛み、紅班、水泡など

 

●呼吸器系(肺)に現れる障害
呼吸器障害、慢性気管支炎、過敏性肺炎など
症状・・・せき、たん、息苦しさなど

 

●肝臓、腎臓系(消化器)に現れる障害・・・
肝機能障害、腎機能障害

 

症状・・タンパク尿・血尿、造血器障害・貧血・再生不良白血病など

 

共通として最も注意するべき点は発ガン性です。
慢性中毒の症状は、一旦進行してしまうと治り難いので、予防する事が最も大切な事です。

 

上で記したように、有機溶剤による障害の起こり方は、皮膚または粘膜(目、呼吸器、消化器)に付着し、その部位で作用するもの、又は部位から吸収され循環して即効的に障害を起こす急性のもの、長期にわたる反復吸収によってその物質が特定の器官(標的臓器)に蓄積され傷害を起こすものがあります。

 

これらのうち、最も吸収量が多いのは呼吸器からのものです。

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